水力発電のメンテナンス
2009年秋、水力発電所の配管が破損し、修理を行いました。
2009年10月8日に、日本列島を台風18号が直撃しました。
山梨では250mmを超える雨量を記録し、そのために当社の水力発電所が破損しました。水路が増水して発電機の配管が破断して発電が出来なくなりました。また一部の土手の土が流されてしまいました。
水路にはこのようにたくさんの土砂が堆積しています。まずこれらの土砂を取り除きました。その際、ふるいを用いて砂利を採取しました。コンクリートを練るために使う予定だからです。
10月15日、台風の大水で流された土手の修復をしました。
また、水路から水があふれた場合を想定してバイパスの配管も敷設しました。まず玉石を敷き詰め、コンクリートで固めました。コンクリートを練るための砂はセメントとともに購入しましたが、砂利は、水路の土砂から分離して使用しました。
▲この写真はほぼコンクリートの打ち込みが仕上がったところです。最後に小手仕上げをして表面を滑らかにしました。
10月18日は、水力発電機を修理するためにアルミ板のカットを行いました。
前日までに注文していた5052のアルミ板が滑川軽銅株式会社から到着していました。ご覧の大きさで厚みは4mmで価格は送料も含めて約2500円でした。
これをジグソーでカットして部品としました。発電機の水槽の下部に合わせて切断し、着脱用のフックも取り付けました。
10月25日は、水力発電所の配管取り付けを行いました。
水槽の底に合わせたアルミ板に下の配管をねじ止めしました。それを上から挿入して完成としました。ただ載せているだけなので、いつでも外せます。また大水が来ても壊れる恐れは少なくなりました。アルミ板の周囲を歯科用のレジン樹脂で固めて水がなるべく漏らないようにしています。水圧がかかると少し漏るのは問題ないと思われます。毎秒35リットルという全体の水量から比べれば無視できる水漏れです。壊れた配管の修理が完成し、水力発電が再稼働しました。
水路のゴミを除去する網を改良しました。
農業用水路に流れてくるゴミを除去するために水路に金網を設置しています。しかし秋の落葉の時期には、数時間でゴミがいっぱいになってしまいます。したがってほとんど発電出来ない状態です。
そこで網の設置方法を改良し、水の取り入れ口の上部まで囲いました。
▲改良前▲改良後
この改良により、発電機の水車に流れ込むゴミの量が少なくなりました。最大で24時間の稼働が可能になりました。またゴミで取り入れ口がふさがっても、水が水路の外にあふれることも少なくなりました。
網を追加設置しました。
今まで一枚だけだった網を三枚に増やしました。これにより、水の取り入れ口がふさがって、発電機が停止するまでの時間が延長されました。
最大で48時間の稼働が可能になりました。