光害とは
夜間照明の光が漏れると、周囲に悪影響を与えるのが光害。
光害(ひかりがい)とは夜間照明の光がその照明目的ではない方向に漏れて、周囲の環境に悪影響を与えることを言います。
具体的にはウミガメなどの野生生物の繁殖を妨げたり、稲の生育に悪影響を与えたりします。また夜空に漏れた光が夜空を明るくして星を見えにくくしています。
光害により稲の出穂が妨げられた実例
ご覧のように、光が当たっていない稲だけ穂が出ています。
100km以上離れた東京の光により、夜空が明るくなった写真(山梨・清里にて)
▲100km以上離れた東京の光により、夜空が明るくなった写真(山梨・清里にて)
環境省による、光害防止への取組み
昭和63年(1988年)から、環境省は全国星空継続観察を行っています。全国の一般市民や子供たちに呼びかけて毎年2回(夏期及び冬期)実施。肉眼や双眼鏡等を使った身近な方法によって星空観察を行い、参加者に光害や大気汚染などのない清澄な大気への関心を高めてきました。
その結果、平成10年3月、 環境省から適切な照明基準を定めた、「光害対策ガイドライン」が策定されました。その基準により道路照明などの光害対策が進んできています。
▲空から見た光害の様子
熊本県城南町の防犯灯の例
熊本県城南町では、熊本県民天文台の呼びかけで、光害対策の防犯灯の設置を推進しています。通常の20Wの蛍光灯による照明は、上方に漏れる光が多く夜空を無駄に明るくしています。
そこで上方光束ゼロと呼ばれる、光が全く上に漏れない照明器具を使用しています。この照明器具には通常は80Wの水銀灯が使用されています。
しかし城南町では消費電力を抑えるために、11Wの電球型蛍光灯を使用しています。